treSensi | 貴石加工美術館(Museo dell’ Opificio delle Pietre Dure)
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貴石加工美術館(Museo dell’ Opificio delle Pietre Dure)

今日はフィレンツェでお気に入りの美術館をご紹介しようと思います。

ミケランジェロ作・ダヴィデ像のあるアカデミア美術館からほど近い場所にあるこの貴石加工美術館は
18世紀末にウッフィツイから移設された貴石加工の専門機関です。
貴石や大理石を加工したこの技術はフィレンツェだけで見られる伝統的な技法だそうです。

こちらの美術館はマイナーであまり知られていないかもしれませんが、素晴らしい作品が数多くあるお勧めの美術館です。

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Museo dell’ Opificio delle Pietre Dure
Via Alfani, 78 50125 Firenze ITALIA

貴石加工の技術はモザイコ・フィオレンティーノと呼ばれています。
貴石や大理石などを絵柄に合わせて切り抜き、パズルのように組み合わせて絵柄を描いていく技法です。
美術館の2階には、当時の工房で使われていた作業台や道具などが展示されています。

 

階段を上って、展示室右側の壁に展示されているのは、加工に使われる貴石や大理石などのサンプルです。

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イタリアだけでなく、全世界から取り寄せられた様々な種類の貴石や大理石が使われています。
サンプルを見ていると、瑪瑙が多くありました。
瑪瑙は帯状の美しい色模様を持つので、複雑な絵柄を表現するモザイク加工には最適な石なのでしょうね。

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カメオや貴石をカービング(彫刻)するための作業台。18世紀半ばのもの。

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この作業台、天板部分にヘラクレスのブロンズ像が装飾されていました。道具の一部を背負っています。
こういうさりげないデザイン、素敵です。

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この道具で石をカットしていきます。
現在貴石加工の工房は大分少なくなったそうですが、そこで今でも使われている道具です。
婉曲した栗の木に針金が張ってあり、これを使って地道に石をカットする作業は大変膨大な時間がかかるそうです。

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これらの道具で、一体どんなものが作られるのかというと・・・・。
まず、下はデザイン画の見本です。

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デザインの色味や模様に合わせて選別された貴石を、こんな風にカットしていきます。
着色は一切せず、天然の石の色をそのまま利用するそうです。

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完成品。陰影なども色の石のみで表現されています。大変素晴らしいです。
とても時間のかかる作業ゆえに、この技術で制作された品物は大変高額なものとなるそうです。

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美術館の1階には、貴石加工の技術で制作された数々の作品を見ることができます。
下の写真は、1865年に制作された、テーブルの天板。すべてモザイクの技法を用いて制作されています。
ブドウの粒の遠近感など、天然石の色を使い分けることで描かれています。葉の質感も本当に素晴らしいです。

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17世紀に制作されたインディアンウォールナット製のキャビネット。
装飾部分はすべて貴石で作られたモザイク画です。

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この貴石加工の専門機関は、サン・ロレンツォ教会付属のメディチ家の君主の礼拝堂の装飾に3世紀にわたって
関わってきたので、美術館には礼拝堂に関する作品も展示されています。
下はメディチ家礼拝堂の、フィレンツェ共和国の紋章。16世紀末ごろの作品です。

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表面が平坦な作品だけでなく、こんな浮彫の彫刻もありました。
立体感があるのわかりますか?18世紀初期の作品。

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そして、最後にご紹介するのはこちらのテーブル。楽器を花輪がモチーフになっています。
Giovan Battista Giorgiによって、1849年に制作された作品。
石で描いたとは全く思えないほどの作品です。陰影の表現も素晴らしく、継ぎ目も全く見えませんでした。

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ダビデ像のアカデミア美術館も良いですが、その近くにこんな素晴らしい技法を見ることができる美術館があるんです。
近くを訪れた際には、是非足を運ばれることをお勧めしたいです。

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