フィレンツェ彫りのバングル - treSensi
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フィレンツェ彫りのバングル

フィレンツェ彫りが入ったバングル。お客様からK18での制作をご依頼頂きました。

インスタ更新の気軽さからいつもこのブログが完全放置になっており申し訳ありません><
気まぐれ日記のようになってしまっておりますが、このブログではインスタでは紹介しきれないような少し深い内容を書いていきたいとは思っているのですが、その点記事を書くのに時間がかかるという・・・・。あまり更新頻度は高くはないのですが時々のぞきに来ていただけたら嬉しいです。

さて、今日ご紹介するのは昨年ご依頼頂いたバングルのお話です。
シルバーのバングル全面に、イタリアで学んだフィレンツェ彫りを入れて1点だけ制作したバングル。
https://tresensi.jp/portfolio_page/bracelet-002

バングル板面も広く、彫るのにかなり時間がかかってしまうので最初は一つだけと思って作ったものです。
その後それをご覧頂いたお客様にお気に召して頂く事がとても多く、納期がかかってしまうことをご了承頂ける場合だけご注文を受けさせて頂いてました。

今回も同様にこのバングルのデザインをご覧頂いたお客様からK18での制作をご依頼頂きました。
そしてやり取りをさせて頂く中で、お客様からホワイトゴールドとイエローゴールドのコンビで作ることはできますかとご要望をいただきました。

通常私がよく作るフィレンツェ彫りや透かし彫りのリングにフレームを付ける事はよくあるのですが、バングルにフレームを付けるのは今回が初めてでしたので色々と制作方法を工夫する必要がありました。
バングルにフレームという出来上がった形から見るとシンプルな構造のように思うのですが、制作するうえではフレームをぐるっと一周、本体板面にロウ付け(溶接)をする作業が必要になります。リングと違ってバングルの側面は、長さもとても長くなってきますので隙間なくグルっと一周ロウ付けをするには少しの工夫が必要だったのです。

 

今回は加工を加えたセミオーダーでしたので、最終的なデザインに相違が無いようにラフ図面を書いてお客様に確認頂きます。フレームの幅の広さ・板面とのバランスなどを確認頂く設計図なのでとてもラフなものです。セミオーダーの場合はおおよその最終デザインのイメージは既存製品から想像できますので、こういったラフなものでお客様にイメージを確認いただいてます。

 

設計図を確認頂き、OK頂きましたら制作を進めていきます。
こちらはロウ付けの途中経過。角が丸くなっているので角にぴったり合うようにイエローゴールドのフレームの角材を、角の曲面に完全に合わせてからロウ付けしていきます。こういった工夫が必要だったので、フレーム用のイエローゴールドの角材は2本用意して、それぞれ片方ずつの端に合わせてロウ付けしていっています。

 

そして、フレームを溶接したら板材をバングルの形に曲げて側面に彫刻するフィレンツェ彫りのデザインを決めていきます。いくつか彫りの模様の候補を出させていただき、お客様と相談の上フィレンツェ彫りの伝統的な模様であるアカンサス模様(アカンサスは葉アザミのことです)に決定しました。こんな感じでリングのサンプルをご覧頂きながら彫りのイメージをお伝えしています。

 

余談ですが…最近彫りを入れていると手が腱鞘炎・ばね指っぽくなることが多いので対策としてこんなサポーターを買ってみました。ちょっとは楽になったかな・・・。でも結局邪魔になって時々外したり、疲れたらまた着けてみたいな感じ。フィレンツェ彫りは自分の手の力だけで彫るので結構手に負荷がかかることが多いんですよね。

 

まずは側面から彫刻していきます。イタリアのヤニ、チェララッカにバングルを固定して彫刻します。彫りを入れると金属がキラキラしてきて雰囲気がガラッと変わりますよー。つるっとした金属とは全く別の質感になります。表が終わったらヤニから外して再びヤニに再固定、反対側も彫刻していきます。

 

側面は台に固定すると彫りにくいので、手に持って彫刻してきます。
本体がゆがんだりしないように、バングルの中には先ほどの赤いチェララッカを詰めて彫っています。
彫っている時の途中経過。まだ中身の彫りは完成していません。

 

 

そして、こちらは完成画像です。金が高騰している中、これほど金を贅沢に使用した作品は作る機会も少ないのでとても作り甲斐がありました!厚みもしっかり持たせて重厚な感じで作ってます。お客様にもとっても喜んで頂きました。この度はご注文を頂きましてありがとうございました。

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