ムラーノ島ガラス美術館
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ムラーノ島ガラス美術館

ガラス美術館は、ヴェネツィアのムラーノ島にあるガラス細工の美術館です。
ムラーノ島にあるチェザレ・トッフォロさんのショップを訪れた際に、ガラス美術館にも
足を運んでみることにしました。
フィレンツェから電車で3時間程で、ヴェネツィアに到着。
ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅から、ヴァポレットという水上バスでムラーノ島に向かいます。
ガラス美術館のすぐそばの、「museo」という停留場で下船します。

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ここから徒歩3分程の場所に、ガラス美術館があります。
入り口が少しわかりずらく、私は何度も通りすぎました(苦笑)。結局通りすがりの人に道を聞いて到着。
Museo del Vetro
Fondamenta Giustinian, 8, 30141 VE

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入場してすぐの場所にある中央大広間(Salone Centrale)という展示室の天井には
フレスコ画とシャンデリアがありました。
フレスコ画は、ヴェネツィア出身の画家であるFrancesco Zugnoが描いたもの。
美術館として利用されている、このゴシック様式の建物は、もともとは貴族の邸宅として建築されたものだそうです。

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クリスタルガラスで制作された大型のゴブレット(酒杯)。
1864年~1867年頃のもの。軸の部分の円形窓の装飾が素晴らしいですね。

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16世紀末から17世紀初期にかけてヴェネツィアにて制作されたゴブレットの数々。
全てクリスタルガラスで制作されたものです。どのグラスも軸の部分に特徴的な装飾がなされています。

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「Concetto spaziale(空間の概念)」と題された、
空間主義を提唱したイタリアの美術家ルーチョ・フォンタナ(Lucio Fontana)の作品も展示されていました。

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レティチェロ(reticello)というレース模様のような細工で作られた、バスケットやスプーン。
16世紀末~17世紀のものです。

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氷の様な表面テクスチャーが施された器の数々。
その名のとおり、「ghiaccio(氷)」と呼ばれる技法で、吹きで制作している途中に水につけてそのまますぐに
高温の状態に戻すことでこのようなテクスチャーが出るそうです。16世紀中ごろから、17世紀初期のもの。

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穴の加工がされた飾り玉のネックレス。こちらは、バーナーワークで17世紀に作られたものです。

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エナメルで装飾が描かれた美しい箱。タバコ入れだったようです。1767年に制作されたもの。

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Chalcedony glassという、ガラスに着色をするこの技法はムラーノ島で15世紀初期に生まれたもので
溶解中のガラスに硝酸銀を添加することで、このような面白い色味が出るのだそうです。
私が扱うボロシリケイトガラスにも、このような変化を出す色があるのですが、なんと15世紀には既にこの色味が
ムラーノに存在していたとは思いもしませんでした。

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イタリア式庭園を模した、テーブルに置く装飾品。18世紀に制作されたもの。

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そして、古代に造られたガラスの展示コーナーには、リングやネックレスなどのガラスで作られたジュエリーの
数々が展示されていました。
これらのジュエリーには、ガラスで線細工が施されたものもあって今でも使えそうなくらいオシャレですね。

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そして、ヴェネツィアンビーズの数々が展示された展示室は、大変見ごたえがありました。

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ヴェネツィアンビーズが作られていた当時の、制作机の様子が再現されていました。

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そして、こちらは19世紀~20世紀までの、近世に作られたガラス製品が一同に展示された部屋。

 

1867年に制作された、ふた付きのゴブレットは花の装飾が見事です。

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1873年~1877年頃に制作された、ふた付きのボトル。
アヴェンチュリン・ガラスと呼ばれているこの技法もまたムラーノで生まれたもので、
溶解中のガラスに銅を溶かし込むとこのように、キラキラと輝くガラスになるそうです。

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そして、美術館の展示室最後の方にあった空間には、いくつかのシャンデリアが展示されていました。

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エミリア・ローマーニャ州のサンタゴスティーノ教会が2012年の地震で倒壊してしまった際に
教会内部からシャンデリアが運びだされ、その後ムラーノで修復されたシャンデリアだそうです。
これほどの地震があったのにも関わらず、形が残ってまた修復できたというのは奇跡のようですね。
これもまた、ムラーノの職人さんたちの素晴らしい技術の成せる技だと思います。

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さて、美術館を出て帰りの水上バスの時間までムラーノを散策してみることにしました。
サント・ステファノ広場には、ガラスのオブジェがありました。雨だったのと、閑散期でもあったので誰もおらず
さみしい光景です・・・。

 

そして、こちらはムラーノ島のドゥオーモである、
サンティ・マリア・エ・ドナート教会(La basilica di Santa Maria e Donato)。

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教会の床はモザイク画が描かれていました。

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教会の壁にかけられた、キリストの十字架がガラスで作られているのはムラーノならではですね!

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ムラーノのガラス彫刻家であるLuciano Vistosi、「Fonte Battesimale(洗礼の泉)」と題された作品がありました。
教会にガラスのアート、素敵です!

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ムラーノ島はとても小さな島なので一日で、十分観光を満喫することができました。
私がイタリアにいる間は、ガラスを制作する環境が無いため、残念ながらこの一年は
ガラスの制作をする事ができていないのですが、この日は一日中ガラスのアートや作品に触れて
多くの刺激を受ける事ができました。いくつか創作のヒントももらったので、また日本に帰ったら
作品に反映してみたいと思います!

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