アレッツォの骨董市
アレッツォ(Arezzo)では、毎月第一日曜日とその前日の土曜日にアンティーク・マーケットが開催されています。
アレッツォの骨董市はヨーロッパで三番目に大きいアンティークマーケットだそうです。
当初土曜日にこのマーケットに行くことを予定していたのですが、当日雨が降ったため急遽予定を日曜に変更して
このイタリア最大級のアンティークマーケットを訪れることにしました。
今回、電車を使って初めてフィレンツェから出るということもあって少し緊張しました。
フィレンツェから電車を使う場合、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅を利用します。
イタリアは5月1日(金曜日)がメーデーで祝日です。その連休中というのもあってか朝9時前の駅は
混雑していました。
Stazione di Santa Maria Novella,SMN
Piazza Della Stazione Firenze 50123
フィレンツェからローカルの快速列車(Regionale Veloce)に乗っていざ出発です。
の前に、、、イタリアでは電車の切符を購入した後に必ずしなければならないことがあります。
それは、何かと言うと・・・。この機械にチケットを通して日付と時間を打刻をしなければならないのです。
イタリアの電車は大きく分けて、長距離部門と地域運輸部門にわかれます。
長距離部門—————————————-
・ フレッチャロッサ(Frecciarossa)
・フレッチャアルジェント(Frecciargento )
・フレッチャビアンカ(Frecciabianca )
・インテルシティ(InterCity )
地域運輸部門————————————-
・ レジョナーレ(Regionale)
・レジョナーレ・ヴェローチェ(Regionale Veloce )
アレッツォまでは、通常レジョナーレか、レジョナーレ・ベローチェのどちらかを利用します。(片道8ユーロ)
レジョナーレ・ベローチェは名前の通り快速電車で、レジョナーレは普通電車になります。料金は同じです。
快速電車だと1時間くらい、フィレンツェから近い場所にアレッツォはあります。
さて、話を戻しますがイタリアの地域運輸部門のローカル電車に限って、
先ほどの機械で日付を打刻せずにいて、それが見つかった場合罰金を払わなければならないのです。
長距離部門の電車は座席指定がされているので、予約した時間に必ず利用しなければなりませんが、
ローカルの電車は購入した切符をいつ利用してもいいということになっています。(有効期限は二か月です。)
そのため、使用する直前に時間と日付を打刻することで、
同じ切符の不正な再利用ができないような仕組みになっています。
日本の電車は乗車する前に、改札機に切符を通しますよね。
イタリアの電車はそのような改札機がないため、自らこの機械で打刻せねばなりません。
打刻するとその切符の有効時間が表示されるので、その有効時間内であれば途中下車も可能です。
乗車後、駅員が巡回をしてきてチケットのチェックをします。
その際に打刻がされてないと50ユーロ前後の罰金がかせられるそうです。(場合によっては最高200ユーロだとか!)
バスも同様のシステムだそうで、バスで打刻し忘れていたのが見つかってしまい
50ユーロの罰金を取られた人もいるそうです。
高確率で駅員の巡回はあります。
皆さんもイタリアの交通機関を利用される場合は本当に気を付けてください。
さて、そんなこんなで一時間、あっという間にアレッツォに到着しました。
アンティークマーケットは月に一度の開催なので、混雑することを予想していたのですが、
駅前は思ったよりも静かでした。
10時少し過ぎに到着したのですが、駅前のインフォメーションセンターは10時半にオープンということで、
まだ開いておらず、時間が勿体なかったので持ってきた地図を見ながら早速マーケットのある方へ
向かって歩きます。地図はこちら。
Stazione di Arezzo
Piazza della Repubblica 1 – 52100 Arezzo
まずは、駅からすぐの場所にグイド・モナコ広場(Piazza Guido Monaco)があります。
2本の主要な幹線道路が交差しており、広場に立つのは、グイド・モナコ(Guido Monaco)の銅像です。
彼は中世の音楽家であり、楽譜記譜法(ドレミファソラシドですね)の原型を考案したとも言われています。
アレッツオに住んでいたそうです。
そして、グイド・モナコ広場のすぐ先から、アンティークマーケットのお店が並びます。
お店を眺めるだけで心が躍り、わくわくしてきます。
このお店の並びが町の中心にあるグランデ広場まで、しばらく続きますので歩きながら飽きることがありません。
グランデ広場に向かって歩いていくにつれて、人も増えていきます。
アンティークのジュエリー、本、食器、絵画、布地、など様々なお店が並びます。
中には珍しく、化石を売っているこんなお店も・・・。
そして、道の途中でこんな看板が。
そう、ここアレッツオは映画「Life is beautiful」(La Vita è Bella)が撮影された場所でもあるのです!
私はこの映画が大好きで10回近く見ています。
日本にいたころは、イタリア語の勉強の為に日本語の字幕を表示せずにこの映画を見ていました。
どうやら、この看板は撮影されたポイント毎に置いてあるようです。
残念ながら、すべての撮影場所は見つけられませんでした。(もっと下調べをしておけばよかった!)
今いる場所は看板に記載された4番の場所、サン・フランチェスコ広場 (Piazza San Francesco) です。
看板のイラストと同じアングルで写真を撮ってみました。
グイドとドーラの二人が夜の散歩をするシーンがここで撮影されたそうです。
と言っても実はあまりピンときませんでした(笑)
家に帰ったら景色を忘れないうちにもう一度映画を見なおしたいと思います。
検索していたらこんなサイトを見つけました。アレッツオのロケ地めぐりにとても参考になりそうです。→VISIT AREZZO
この広場にはサン・フランチェスコ教会(Basilica di San Francesco)がたっています。
Basilica di San Francesco
Via Guido Monaco, 11, 52100 Arezzo AR
サン・フランチェスコ教会ゴシック様式の教会で、13世紀~14世紀にかけて建てられました。
ファサードはレンガ造りですが、未完成のまま残されたそうです。ピエロ・デッラ・フランチェスカ(Piero della Francesc)
の代表作「聖十字架の伝説」(Leggenda della Croce)が展示されています。
私も、もちろんこの「聖十字架の伝説」を見たいと思い、夕方にこの教会を訪れたのですがなんと今日のチケットは
終了してしまったとのこと!どうやら後でしったのですが、見学は時間指定制で25人ずつだそうです。
私が行った時間にはその日最後の回のチケット25枚が既に売れてしまったとのこと!
この教会のチケットは予約した方がスムーズに入れそうですね。。。。
今回は、アンティークマーケットがメインだったので少々下調べを怠りました・・・。残念。
気を取り直して・・・。
街を歩いていると、道でモザイクタイル(でしょうか?)でオブジェを制作をしてる方が何人かいらっしゃいました。
アンティーク・マーケットに訪れた人々で狭い路地まで人であふれます。
そして、街の中心グランデ広場(Piazza Grande)に到着!
駅から歩いて、この広場までアンティーク・マーケットがず~っと並んでいます。
このマーケットの規模の大きさには本当に驚きました。
広場の西側にはピエーヴェ・ディ・サンタ・マリア教会(Chiesa di Santa Maria della Pieve)の
アーケード付きの後陣があります。
Chiesa di Santa Maria della Pieve
Corso Italia, 7, 52100 Arezzo AR
ここの広場はスペースが広いので、大型の家具のお店が多くありました。
グランデ広場は傾斜になっているので、売り物も斜めに・・・。
斜めになったテーブルの上にガラスの食器などが並べられていて、見ていてヒヤヒヤしてしまいます。
写真手前左側にあるのは、かつて裁判所として使われていた建物で、その隣にある時計台の建物は
フラテルニタ・ディ・ライチ宮殿(Palazzo della fraternita dei laici)。14世紀に建設されたゴシック様式の建物です。
この空間にいるだけで、自分がタイムスリップしてしまったような気持ちになります。
Palazzo della fraternita dei laici
Piazza Grande – 52100 Arezzo
写真右側にあるのが、アレッツオ出身のヴァザーリが設計した「ロッジアの宮殿」(Palazzo della Loggia)。
「ロッジアの宮殿」の回廊にもずらっとお店が並びます。
このグランデ広場では、映画「ライフ・イズ・ビューティフル」の数々のシーンが撮影されています。
私が好きなシーンで、主人公グイドが妻のローラと息子ジョズエを自転車に乗せて広場の坂道を駆け抜ける
シーンがあるのですが、そのシーンもこの広場で撮影されています。
広場にあるピッツアのお店でランチ休憩をしました。
なみなみとグラスに入っているのは、ワインではなくコーラです(笑)。
クアトロフォルマッジョと、お店の人お勧めのピッツア(名前忘れました・・・)。生地がパリパリで美味しかったです。
ランチ休憩もほどほどにして、散策を続けます。
古いアンティークのバイクを見つけました!これも売り物だと思いますが、動くのかな?
私はバイクに乗るのですが、カブに似たエンジンのバイクでとてもかわいらしかったです。
なんていうバイクでしょうか・・・。
そして、グランデ広場を後にして散策を続けます。
まだまだマーケットの出店は続きます。
写真は街のシンボル、ドォーモ(Duomo)。
ゴシック様式の聖堂で13世紀から建設されて、完成したのは16世紀だそうです。
Cattedrale di San Donato
Piazza Duomo, 1, 52100 Arezzo AR
しばらく歩いていくと、開放的な公園がでてきました。「丘の上公園・プラート公園」(Passeggio del Prato)です。
公園の真ん中には、アレッツオ出身の学者でもあり詩人でもあるフランチェスコ・ペトラルカ(Francesco Petrarca)の
記念像が建てられています。
ドゥオーモの鐘楼が公園から見えます。
そして、公園から見える景色。トスカーナの自然の景色が広がります。
写真手前に見えるのが城壁です。
アレッツオは古代から城壁に囲まれていました。14世紀に作られた城壁がそのまま今も残っています。
小さな屋外BALがあったので、そこでカフェを買って景色を見ながら一休みしました。
公園を出てしばらく歩くと、トスカーナ大公であった、フェルディナンド3世(Ferdinando III di Asburgo-Lorena) の
銅像がありました。フェルディナンド3世はかつてアレッツオの農地開墾に貢献したそうです。
アレッツオの街にはそこかしこに銅像や記念碑があります。
サン・ドメニコ教会(Chiesa di San Domenico)。
ロマネスク様式の鐘楼を備えています。
Chiesa di San Domenico
Piazza San Domenico, Arezzo
ちょっとした路地さえ、素敵に見えてしまう・・・。そんなアレッツオ。
最後に、ローマ円形劇場/闘技場(Anfiteatro Romano)を見に行きました。
当時は楕円形の劇場を中心に周りはグルリと観客席に囲まれていたそうです。
残っているのは観客席の一部でしょうか・・・。
Anfiteatro Romano
Via Margaritone, 52100 Arezzo AR
紀元117~138年にかけて建設されました。
中へ入ることはできず、外から柵越しに写真をとりました。
現在は廃墟の様になってはいるものの、夏には野外イベント会場として使われるそうです。
アーチの部分は出入口でしょうか・・・。
今回はアンティーク・マーケットがメインの目的だったのですが、夕方ごろに買い物を終えたので残った時間で
教会や博物館を回ろうとしたところ、下調べができてなかったのもありまして・・・。
サン・フランチェスコ教会はチケットが売り切れ。考古学博物館は、日曜は午前中のみ開館・・・。
なかなか旅は予定通りにはいかないものですね。
イタリアにいる間に、再度訪れてみたい街です!
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