2016年10月3日
Ring-008
ふっくらとした優しい形のカボションカットのカルセドニー。海の様な、淡い透明感のある色合いのカルセドニーを覆輪留めでセッティングした、シンプルなデザインのリングです。
石座の爪を倒して石を留めた後、石座全体にも繊細なフィレンツェ彫りを彫刻しています。
また、腕の上半分にはフィレンツェ彫りの代表的なモチーフであるアカンサス(葉アザミ)の模様を彫刻しています。
真っ白な無垢の金属に彫りを入れると、作品の雰囲気・印象が360度(と言ってもよいくらい)変わります。
通常、彫りの工程は石を留めてから最後に彫刻していきます。彫りを入れると、最後の最後で作品の雰囲気がガラッとクラシカルな印象へと変わります。彫りの力はすごいものだ、といつも感じています。
それゆえに私はフィレンツェ彫りの魅力を感じ、イタリアのフィレンツェまでこの技術を学びに行きました。
こちらのカルセドニーのリングもシンプルなデザインではありますが、彫りを入れることでクラシカルでエレガントな雰囲気に仕立てました。
金属は固くて冷たいという印象が通常ですが、彫りを入れることで、手作りの温かみを感じ柔らかな印象を持ち、ジュエリーが石を優しく包み込んでいるかのように感じます。