ムラーノ島 チェザレ・トッフォロさんのガラス工房 - treSensi
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ムラーノ島 チェザレ・トッフォロさんのガラス工房

イタリアにいる間にやりたかったことの一つ。
それは、ヴェネチアのムラーノ島にあるチェザレ・トッフォロさんの工房を訪れることでした。
イタリアへ来た当初は、イタリア語もままならず、お会いして会話をできる自信がなかったので
大分先延ばしにしてしまっていましたが、先日ようやくムラーノ島の工房を訪れることができました。

チェザレ・トッフォロさんはイタリアのムラーノ島に工房・ショップを構える有名なガラス作家さんです。
ムラーノ島では珍しい、ボロシリケイトガラスを使って創作をされています。
世界中のガラス関係の教育機関で講師やワークショップもされていて、
イタリアだけに留まらず、世界でもトップレベルのガラス作家だと私は思います。

ショップ兼工房は、ムラーノ島のメインストリート、Fondamenta dei Vetraiにあります。
ムラーノ島を訪れた日は残念ながら雨が降っていました。空が真っ白。気温も5度前後と大変寒かったです。

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ショップの入り口の壁に小さなウィンドウが埋め込まれており、
中にはミニチュアの作品の数々が展示されていました。
Cesare Toffolo
Fondamenta dei Vetrai, 37、30141 Murano-Venezia

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1階はショップで、2階はチェザレさんが展示会用に制作した作品が展示されたギャラリーになっていました。
この日は土曜日で、チェザレさんは工房での作業はお休み。
土日は主に工房隣接の書斎で執筆活動をされているそうです。
ショップのスタッフの方に、伺う前にあらかじめコンタクトを取っていたので、
幸いな事に今回の訪問で、スムーズにチェザレさんにお会いすることができました。

10年ほど前に日本でガラスのワークショップをされた事もあり、日本の事が好きなんだとおっしゃるチェザレさんは
とても有名な方であるにも関わらず、親しみやすく素敵な方でした。
ギャラリーを見学している間、有難いことに一つ一つの作品について説明までしていただきました。
チェザレさんにはギャラリーの写真をこのブログに掲載する許可を頂きましたので作品をいくつかご紹介します。

2階のギャラリー全体の風景。1階のショップで販売されている作品と違い、アート色の強い作品の数々が並んでいました。左側の黒いガラスの作品は「Piccoli uomini black」、右側の作品は「Granelli di sabbia」と題されています。
ギャラリーに展示されている作品のほとんどに、今にも動き出しそうなポーズをとった小さな人間が配置されています。右側の砂時計の中、ようく見てみてください。小さな人がたくさん入ってます!

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金彩が施された作品、「Opera blue Ercole」
Ercoleはイタリア語でヘラクレスの事。金彩の装飾がされた中央に描かれているのはヘラクレスですね。
まるで工事現場の様な足場が組まれて、人間たちがまさに装飾作業をしているかのよう。

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「Anfora ambra」
琥珀色のアンフォラと題された作品。アンフォラとは古代、穀物などの食料品を運搬保存するために使われていた
器の事です。小さな人間の動きがユニークで面白い作品ですね。
ボロシリケイトガラスは、理化学ガラスとしても使われるくらい強度があるガラスなので、このような繊細な造形が
可能なのです。これらの作品はすべて、バーナーワークで作られているんです。
チェザレさんが使用されているバーナーも見せて頂いたのですが、
チェザレさんの
作品は大きいものが多いのでそれに合わせてバーナーも特大サイズでした。

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「Colori」
カラー、と題された作品でその名の通り色鮮やかでにぎやかな作品。
この作品はボロシリケイトガラスでは無い違う種類のガラスで作られたそうです。
なんという名前のガラスだったのかは、すみません。聞き取れませんでした。。。
ボロシリケイトガラスにもクレヨン色というカラフルな色合いのものが存在するのですが、
この作品に使っているガラスはボロガラスのクレヨン色には出せない色合いが出せるようで、
好んで使っているそうです。
筆の持ち手の木の部分は、もちろんガラスで表現されていて、色味にグラデーションがあり
それがまさしく木の木目のように見えました。

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「Balloons」
本物の風船のように宙に浮いているように見えますが、バルーンの部分はもちろんガラスで作られています。
天井から吊っているわけではありませんよ。風船の紐の部分は真鍮で作られておりで、鎖を一つ一つ溶接
して繋げて自立させているそうです。

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一つ一つの作品にそれぞれ物語があって、とても素敵で楽しいギャラリーでした。
私の作るガラスはとても小さいものなので、チェザレさんの作られるガラスの作品とはまた違うものなのですが
同じボロシリケイトガラスを扱うものとして、ガラスの無限の可能性を感じたくさんの刺激を受けさせて頂きました!
また、是非日本にいらしてくださいね、とチェザレさんにお願いして工房を後にしました。

今回は日帰りで、ムラーノ島を訪れたのですが一日ガラス三昧で幸せな日となりました。
またこの日は、ガラスの美術館も訪れたので、それは次回の記事でご紹介したいと思います!

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