フィレンツェの伝統的な技法、透かし彫り(Traforo Forentino)で装飾を構成したリングです。
イタリアフィレンツェの彫金学校在学中に制作した作品になります。
フィレンツェの透かし彫りを施したリングでは皆さんもご存じかもしれませんが、代表的なデザインはいくつかあるのですが、その代表的なリングを制作した後、2つ目のリングとしてこちらを学校で制作いたしました。
だいぶ透かし彫りにも慣れてきたころ・・・。そして透かし彫りの魅力にはまってきた頃でしょうか・・・・。
一つ一つの透かしの大きさは、ヤスリが入らないくらいの小さなものとなります。
工程としてはまずドリルで小さな穴をあけてから、その一つ一つの穴を糸鋸を小刻みに動かしながら透かしていきます。
大変手間と時間のかかる作業です。私はいつも、透かし作業するときには写経を行うかのように無心になって作業をしています。
人によって向き不向きはありますが、私はそういった無心になれる時間がとても好きで、自分はその作業は向いているのだなと思っています。
こちらのリングも透かし彫りを施し、石を留め最後に全面にフィレンツェ彫り(Incisione)を施しています。
幾何学的な連続する透かし装飾の中にバランスよく石が配置されており、眺めていると、建築の構造物の様な規則正しい美しさを感じることができるかと思います。
幅広のリングですが、全体的に透かしを施しているので軽やかに身につけることができます。